皆様、こんにちは!TOIB(富山イノベーションベース)広報担当です。
5月11日(月)、富山県民会館にて5月度の月例会が開催されました。
今回のテーマは「地方創生と起業家の果たすべき責任 – なぜ成長が必要か -」。
講師には、KUIB(熊本イノベーションベース)代表理事であり、東証プライム上場企業であるスターティアホールディングス株式会社 代表取締役社長の本郷 秀之様をお迎えしました。
これから富山で起業を目指す方、あるいは企業内で新規事業を立ち上げようとしている「アントレプレナー・イントレプレナー」の皆様にとって、自らの事業が「地域にとってどのような意味を持つのか」、そして「なぜ成長から逃げてはいけないのか」を深く突きつけられる、極めて示唆に富む時間となりました。
その熱いセッションの中から、未来の富山を創るリーダーたちが持つべき「3つの視座」をお届けします。
1. 地方起業家の最大の責任は「雇用」と「納税」である

人口減少、少子高齢化、東京一極集中。地方都市を取り巻く環境は年々厳しさを増しています。その中で、私たち起業家が地域に対して果たせる「最大の貢献」とは何でしょうか。
本郷氏は、極めてシンプルかつ本質的な答えを提示されました。
「企業家の本分とは、雇用を生み出し、きちっと税金を納めること。これに尽きます。」
本郷氏が牽引する熊本(KUIB)では、「加盟する100社がそれぞれあと10人雇用し、営業利益をあと1億円出す。そうすれば地域に1,000人の雇用と40億円の税収が生まれる」という具体的な目標を掲げています。
売上や利益を上げ、会社を大きくすることは、経営者の自己顕示欲を満たすためではありません。会社が社会に必要とされ、地域経済を循環させるための「絶対条件」です。
これから富山で事業を創る皆様も、自らのビジネスが地域にどれだけの雇用を生み、どれだけの還元ができるのか。その「成長の責任」を背負う覚悟が、第一歩となります。
2. 「作業」を手放し、視座を上げて「経営」をする

事業を立ち上げた初期段階では、自らが現場の最前線で動くプレイングマネージャーになる必要があります。しかし、1億、5億、10億と事業をスケールさせていくためには、どこかで必ず「自分自身の役割」をアップデートしなければなりません。
本郷氏は、多くの経営者が陥りがちな罠を「モグラ叩き」に例えて警鐘を鳴らしました。
- 目の前のトラブル(モグラ)を必死に叩くのは「作業(仕事)」である。
- なぜそのトラブルが起きるのか、構造を理解し「モグラ叩きの機械の電源(コンセント)を抜く」のが「経営」である。
社長の役割は、権限を振りかざすことではなく、未来の戦略を構想し「役割と責任」を果たすことです。人口減少などの「外的要因」は変えられませんが、経営者自身のモチベーションや強い意志、そして戦略という「内的要因」はコントロールできます。
次々と起こる目の前の課題に忙殺されるのではなく、常に視座を一段高く持ち、「構造から変革する思考」を持つことが求められます。
3. 共感で仲間を集める「桃太郎」の組織論

事業を成長させる過程で、必ず直面するのが「誰をバスに乗せるか(採用と組織づくり)」という壁です。本郷氏は、誰もが知る『桃太郎』の物語を用いて、優秀な仲間を惹きつけるための本質を語られました。
桃太郎は、決して「キビ団子(給与や充実した福利厚生)」を最初にぶら下げて仲間を集めたわけではありません。「村人を苦しめる鬼を退治して、平和を取り戻す」という、圧倒的に正しく、誰もが共感できる【理念(ミッション)】を最初に掲げたからこそ、強固なチームができたのです。
「待遇や条件だけで惹きつけた人材は、より良い条件の会社があればすぐに去っていきます。最初に提示すべきは、事業の社会的な意義です。」
そして、ポジションを与える最大の基準は、スキルではなく「人間性(徳)」。
これから富山で新しいチームを作る皆様は、まずは自らの事業が目指す「大義」を高く掲げ、背中を預けられる信頼できる仲間を集めることから始めてみてください。
4. 特別対談:自ら考え、失敗から学ばせる環境づくり

後半は、スターティアの生え抜きであり、現在はTOIBメンバーとしても活躍する田中次郎氏(ジローちゃん)との特別対談が行われました。
ジローちゃんは、本郷氏の右腕として事業を牽引する中で受けてきた「本物の教育」について、こう振り返りました。
「本郷は、常に私たちに一つ上の視座を求めます。そして、あえて手を出さず、自分自身で考えさせ、時には大きな失敗から学ばせる環境を与えてくれました。」
アントレプレナーであれ、イントレプレナーであれ、挑戦に失敗はつきものです。その失敗を許容し、糧として次へ進むための「心理的安全性」と「高い目線」が、人を爆発的に成長させることを証明するリアルなエピソードでした。









