2024年5月12日、富山イノベーションベース(TOIB)では、5月月例会を開催し、家印株式会社代表取締役・坂東秀昭氏をゲストに迎えました。
坂東氏は、富山県朝日町を拠点に活動する建築家でありながら、空き家活用や移住促進など、まちづくりの領域まで事業を拡げてこられました。現在は、地域創生団体「みらいまちLABO」の共同代表としても、富山県全体の起業家支援や交流人口の増加に取り組まれています。
本会では「自分が源」をテーマに、坂東氏のこれまでの歩みと、現在の取り組み、そして地域の未来に向けた展望を語っていただきました。

今回の講演テーマは「自分が源」。
自身の原体験から、現在の活動に至るまでの過程を赤裸々に共有いただきました。
冒頭、坂東氏が語ったのは意外にも「仕事がまったくなかった頃」のエピソード。
建築の裏方としてのアルバイトや下請けの現場で理不尽な扱いを受け、借金を抱えながら家に引きこもるようになった時期―38歳で訪れた人生の転機は、「このままでは終われない」という強い思いでした。

一念発起して学び直しを始めた坂東氏は、自己成長プログラムや講演活動を通じて、徐々に自分のあり方と向き合い、行動を重ねます。
坂東氏は空き家問題に向き合う中で、「人が移住しないのは、働く場がないからだ」との課題に直面。そこから空き家を利活用した店舗・住居の提案や、移住促進プロジェクトの立ち上げなど、幅広いまちづくり活動に発展していきました。
また、投資家である藤野英人氏との出会いについても語られました。
「藤野さんが来れば朝日町は変わる」。その直感だけを頼りに、1年半かけてDMや講演会に足を運んで想いを伝え、朝日町への訪問・協力を実現させたエピソードから、「自分に力がなくても、想いを伝え、力を貸してくれる人を探せばいい」と語ります。

会の終盤には、参加者からの質問や感想が相次ぎ、それぞれの立場からの視点や関心が交錯する時間となりました。
TOIBでは、こうした実践者からの学びを通じて、地域の未来を担うリーダーが視座を高め、行動に踏み出す機会を提供し続けています。
今後も、富山発の変革の芽を育てるための場づくりを進めてまいります。